上杉鷹山から学ぶ組織改革の方法 3
つまり、設備投資や人材育成に力を入れたのである。
教育に力を入れることこそ生きたお金の使い方である。
農業の最新技術を持っている指南役を各地から数多く招き、その技術を武士や農民に伝授することによって
生産能力の向上を図ったのである。
そして「地域産業の活性化」を行った。
米沢という土地は米作の他に、漆、楮、桑、紅花、などの生産に適していた。
しかし、鷹山が来るまでの米沢では稲作しか行われていなかった。
そこで、鷹山は、漆、楮、桑、紅花、の栽培を開始し産業を活性化させたのである。
漆は塗料や蝋となり、楮は紙となり、桑は生糸となって絹織物を生み出し、紅花は油という製品になります。
原材料から製品にすることで付加価値がつき利益を生むことで国を潤そうとしたのです。
これは大成功しました。
さらに、農業を行わない下級武士やその子女子などがそれらの生産を行ったのである。
前述したように否生産者が生産者に変ったことは2倍3倍の効果を生み出すのである。
現代へのメッセージ
以上が上杉鷹山が行った組織再建の方法である。
しごく簡素にまとめたものであるが、これを読んで頂いただけでも、鷹山の改革法が現在の日本に
十分通用することが解っていただけたと思う。
「古いしきたりや格式の廃止」「差別意識を無くす」「情報公開」「地域産業の活性化」
「減税による労働意欲の向上」これは今現在の日本でもやらなくてはならないことである。
数十年前に立案された公共事業が本当に必要かどうか見直したり、無駄な箱物建設や道路工事を廃止したり、
役人の過度な保証や高い賃金を見直したり、増税する前にいくらでも無駄を省き支出を減らすことはできるはずである。
昨今では「勝ち組み、負け組み」などと言って差別意識を煽るような風潮が高まってきているが、
まったくもって嘆かわしいことである。
差別意識の強い国は発展しない。
一部の者だけが裕福でも生産性は向上しないからだ。
有識者や権威と呼ばれている人間や一部の権力者が情報を占有しているような事態が続いている
組織に将来性は無いと言ってよいだろう。
国を潤すのは増税ではなく、努力の先にある「地域産業の活性化」と「減税による労働意欲の向上」なのである。
鷹山は400年も昔に生きた人物だが、今現在の我々に対しても珠玉のノウハウを与えてくれている。
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