分析4

漢中を手中にした時、その要地となる漢中を誰が守備するのか、という問題があった。荊州には関羽が鎮守しているのであるから、漢中には張飛を配置するであろうと誰もが思ったが、漢中の守備に任命されたのは張飛ではなく魏延であった。魏延は序列でいうと、関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠、に次ぐ地位である。したがって、張飛を差し置いて漢中の守備に任命されたことは異例の抜擢といってよい。おそらく、劉備や孔明には張飛の性格に不安があったのだろう。「張飛は攻めには適しているが、守備をするタイプではない」その考えをもとにしての適材適所の判断であったと思われる。現に魏延はこの後十年間近く漢中を守りぬくのであるから間違いではなかっただろう。

張飛の最後は、劉備がおそれていた通りの原因によるものであった。関羽の弔い合戦の準備で、張飛は部下の将を理不尽な理由で厳しく処罰。それに怨みを抱いたその部下の将は、張飛が大酒を飲み前後不覚で寝ているところを襲い殺害してしまった。

最終分析

劉備や関羽、またその他の者でも張飛が自ら尊敬する者には愛嬌があり従順であり、愛すべき好漢者にみえたかもしれない。また、義理堅く、生涯劉備や関羽を裏切るようなことはしなかった。しかし、部下には暴力的に厳しく、泥酔して理不尽な行為をすることも少なくなかったようである。このような性格から、それほど信頼はなかったと考えられるが、張飛も優れた「パフォーマー」タイプの人材であることは確かだ。ただ、適材適所を間違えると、単なる無能な人物にしてしまいかねない人材と言えるだろう。張飛を使うことは両刃の剣とも言えるが、使いこなしたときの効果は非常に大きい。しかし、このような人材は意外に多いのではないだろうか?


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